こんにちは。
2018年時点で大学2年生以下の人達にとって大きな影響を与えるニュースが突如飛び込んできました。
就活ルールとは
そもそも就活ルールとはどのようなルールを定めているのか。誰が守るのか。
就活ルールとは、一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)が定める企業が守るべき就職活動に関するルールのこと。
上の採用選考に関する指針が俗に言う就活ルールというものです。
この指針に書かれている内容としては、
説明会などを行う広報活動が3月1日以降
面接などを行う選考活動が6月1日以降
内定が10月1日以降解禁
などなど、企業の採用選考活動に関するルールが書かれています。
ただし、罰則規定は無く、上記のルールを破ったとしても罰則はされません。
また、このルールを守るべき企業は経団連に加盟している企業のみで、非加盟の企業は(主に外資)就活ルールなど関係なく選考活動を行えます。
しかし、経団連に加盟している企業でも、この就活ルールを破って採用選考に勤しむ企業が多く存在するのも事実です。
就活ルールの廃止と周りの反応
上の項目で述べたように経団連に加盟している企業でも就活ルールを無視した選考活動を行ってるところがあり、最近は就活ルールの形骸化と多くの人々が言っています。
そのような中、経団連の中西会長がいままでさんざん学生や企業を大きく振り回してきた「就活ルール」を廃止すると表明しました。
これは朗報と呼べるのか、悲報と呼べるのか。
中西会長は「経団連が採用日程を采配するのに違和感がある」と疑問を呈しました。
この突然の表明に様々な業界、多くの学生は驚きと困惑は隠せないでしょう。
実際に様々な業界人の意見がニュースで飛び交っています。
まず政界では、安倍政権ではまずまずの理解が得られているようで、麻生財務相も「一考に値する」と前向きな意見を述べています。
こちらは大学でインタビューしたものを載せています。
ルールを急に変えてほしくないと答える学生もいれば、今のルールでは就活が遅すぎると答える学生もいます。
やはり賛否両論といったところでしょう。
経団連と日商と並ぶ経済三団体の一つ、経済同好会の小林代表幹事は大いに歓迎する考えを示しています。
一方で日商(日本商工会議所)では、現在のルールによって採用選考の早期化を抑えてると評価し、「ルールをなくす選択肢はない」と牽制しました。
日経が調査に協力した78社のうち、55%の企業は就活ルールを必要と回答し、29%の企業は不要と回答しました。
多くの企業はいまのようなルールが必要との判断しているんですね。
就活ルールの限界
上の項目でも述べた通り、この就活ルールは経団連に加盟している企業のみ守るべきルールであり、非加盟の企業にはなんら関係ありません。
多くの記事では非加盟の外資企業による優秀な就活生の「青田買い」が指摘されています。
就活ルールに関係のない企業が早い時期から優秀な学生を獲得することによって、就活ルールを遵守する日本企業が損をしてしまう。
そのような危機感からか、経団連に加盟している企業でも就活ルールを無視した選考活動が横行しています。
就活ルールでは採用選考は6月から解禁するよう定めていますが、2016年の調査では経団連加盟企業でも31%の企業が6月解禁前に選考を始めています。
さらに記事では調査した企業の全体では54%にまで跳ね上がるようです。半数以上です。
また、採用選考解禁前の6月以前から内定を出す企業も4割も存在するという調査も出ています。
内定、解禁前に4割超え 就活ルールに限界 経団連企業も水面下で :日本経済新聞
これでは就活ルールの形骸化と言われても仕方ありません。
就活ルールの良い点
就活ルールなんて無い方がいいじゃん。と、思う方々が大勢いると思われますが、本当にルールが何も無くて良いのでしょうか。
まず、就活ルールが存在するということは、新卒一括採用が必然的にくっついてきます。
一度に大量に若者を採用することで、若者の失業率を低く抑えることが出来ますし、その分若者が納める税金も多くの分が確保出来ます。
学生側の利点としては、3月説明会、6月面接解禁のルールがあることで、学業と就活のスケジュール管理がしやすい利点もあります。
また、先輩からのいつ何をしたかというアドバイスも有効に活用しやすいと思います。
企業側の利点としては、採用選考を一定の時期に集中させることが出来るので、採用コストを抑えることが出来ます。
また、企業による採用選考の早期化が常態化してますが、就活ルールがあることで採用選考の早期化に対し一定の抑制効果があると言えます。
今後の動向は
経団連の中西会長が突如就活ルールの廃止の意向を表明し、日商や大学側は大きく反発しています。
21年卒就活ルール「現行維持を」と大学側 | 共同通信 フラッシュニュース | 沖縄タイムス+プラス
そのため、何事もなく21年卒学生の就活から全部廃止とすんなりとはいきそうにありません。
経団連会長が表明したとはいえ、経団連加盟企業全てが就活ルール廃止に賛同してるわけではありません。
また、就活ルールを廃止して有利になるのは多くのコストをかけることが出来る大企業です。
まずは経団連内部での議論が始まり、政府や大学側との調整も必要になるでしょう。
今後本当に中西会長の言うように就活ルールを廃止に出来るのか。
また廃止にしたところで、学生の利益にならなければ改革の意味がありません。
しかしこのまま形骸化された就活ルールを使っても誰の得にもなりません。
そういった意味では中西会長の就活ルールの廃止という大胆な発言は、就活という人生の岐路に対して良い方向へと動かしてくれるのではないでしょうか。
追記
どうやら21年卒の就活生にも結局は就活ルールを維持することが決まったようです。
あまりにも唐突過ぎて時期尚早との意見が強かったようですね。
再追記
やはり現状維持から廃止に踏み切りました。
しかし、ただルール無しの早い者勝ち争奪戦だと大企業ばかり有利になってしまうため、現行の就活ルールは「いったん」廃止とのこと。
これからまた新たなルール作りに取り組むそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。