日経新聞のCMをご存知だろうか。
正確には日経電子版のCMだ。
これとか
これのことだ。
一つ目のCMの流れを簡単に説明すると、清原翔さんとその友人?が一緒にいるときに、向かいのビルにあるオフィスでドローンが飛んでいるのを偶然見かける。
するとその友人は驚きならがスマホで動画を撮り始める。
だが清原翔さんはその友人とは裏腹に、ドローンを眺めながら「なるほどね...」と呟く。
この動画の紹介分には
なぜ、深夜のオフィスにドローンが飛ぶのか。 その裏には経済がある。
と書かれている。
つまり、清原翔さんは日ごろ日経電子版を読んでいるからオフィス内を飛ぶドローン1つみただけで、日経電子版を読んで培ってきた知識、情報とドローンを結び付けて、瞬時にドローンが飛ぶその背景、経緯、そして社会と経済、テクノロジーの関係性までだいたいが把握ができる。というわけだ。
カッコよくない?
友人とか恋人と歩いているときに、偶然見かけたなにやら珍しいものを眺めて
「なるほどね...」
って思えたらカッコよくない?
さすがに呟く勇気はない。中二病全開だから。
別に誰かにひけらかすつもりはない。
自己完結型のナルシストな行為だ。
もちろんその偶然見かけたものを友人たちがなんだあれ?分かんねとか騒いでいたらそっと教えてやりたい。そっとだ。ひけらかすつもりはない。
それでお前なんでも知ってるんだな~!とか言われたらめちゃくちゃ気持ちいい。もちろんひけらかすつもりはない。
だが、そのような場面に遭遇したときに正常に頭が働いて「なるほどね...」って状態にするには、ただ新聞を読んだり、日経電子版を読んでいればできることなんかではない。
ただただ小説を流し読みして読了しても、数か月後には内容を全然覚えてなかった経験などないだろうか。私はある。
比較的最近読んだ湊かなえの「少女」という小説の内容はほとんど忘れてしまった。だが、小学生の頃に読んだ山田悠介の「ドアD」や「ライブ」はかなり覚えている。
「少女」と「ドアD」には一体なにが違うというのか。
そこには読み込む媒体への意識の差があると考える。
小学生の頃は山田悠介作品にかなり没頭した。私が初めて小説なるものを読んだのがかの有名な「リアル鬼ごっこ」だ。ただ文字だけしかない作品はまだつまらないと思っていた私に衝撃を走らせた作品だ。「リアル鬼ごっこ」はのちに映画化され全6作あるらしいが、石田卓也主演の映画化シリーズ1作目の作品はDVDまで買ったほど私は好きだった。
それから山田悠介作品を集めに集めた。全てが面白かった。
しかし、中学、高校へ上がると自然と山田悠介作品からは身を引く形になってしまった。別に嫌いじゃないよ。
湊かなえの「少女」を読んだのはおそらく3年ほど前だが、内容はさっぱり覚えていない。
今思えばおそらく本を読むことに焦点を当てていたからだと思う。
みなさんも本や新聞を読めば頭が良くなるなど、外部から本を読みましょう、新聞を読みましょう圧力を受けた経験があるかもしれない。私はある。
だが、そのような動機でしぶしぶ新聞をを読んだところで内容が頭に入るだろうか。
いつまでも忘れなれない知識が身に付くだろうか。
決して身につかないだろう。少なくとも「ドアD」以上に身に着けることは不可能だ。
ではどうしたら「ドアD」に打ち勝つことができるだろうか。
まず1つとして、1つのトピックに集中して読むことだ。
例えば新聞だと一日分の朝刊では20ページから40ページある。
小説に比べればめちゃくちゃ少ない。
だが、文字数で見るとなんと小説も新聞も10万文字前後と同等なのだ。
その10万文字も全部覚えるのは無理難題過ぎる。
しかし、わざわざ全部覚える必要はない。
日経新聞のテーマはだいたい
政治・経済・国際・社会・企業・証券・科学・医療・教育・スポーツ・文化
などで構成されている。
もしこれらの情報を全部覚えたら、街中いたるところで「なるほどね...」と呟けるだろう。
だがそれは無理だ。清原翔さんも全部は読んでいない。
ではどうするか。
それはこれらのテーマから1日1つ選ぶことだ。
今日は政治を読み込もう。
明日は経済を読み込もう。など、その日その日でこのテーマは全部のニュースを読もうとすることだ。
いつどのテーマを読み込むかはリアルな社会情勢と連動して判断すればいい。
例えば今日衆議院解散をしたら、明日の新聞では政治のところを読み込もうとすればいいのだ。
できれば、残りのテーマのページもデカい見出しだけは目を通しておきたい。
あとはこれも自分で行っていることだが、ニュースと自分の周囲の事柄を関連付けることだ。
やはり自分に関係ないことはあまり記憶に残らない。
ブラジルでどうだこうだとか、タイで総選挙がと言われても正直関心が持てないし興味がない。
本当にどうでもいいニュースは覚えなくてもいいが、例えばタイの総選挙ならば、少し失礼かもしれないが、タイ人もしくはタイとのハーフの知り合いとタイ総選挙を無理やり結び付けて、その知り合いの子=タイ総選挙と覚える。
そうすればその知り合いを思い出せば自然とタイの総選挙のニュースも思い出すようになる。
タイ人の知り合いがいなければ、タイに詳しい人や知っているタイ料理店でもいい。
そうやって無理やり関連付けることでさまざまなところで、さまざまなニュース、知識が自然と頭に浮かんでくる。
例えば近所のタイ料理店がタイに帰省のため臨時休業しますとの張り紙があり、みんなはなんでだ?と思うが、日経電子版を読んでいる私はタイ料理=タイ総選挙=タイにいる家族が心配だからか、となり
「なるほどね...」
と感傷に浸ることができる。
是非みなさんも山田悠介作品の「ドアD」とこの記事を結びつけて、頭の片隅にでも置いといてほしい。