あーーー疲れた。疲れたよ。数分ごとに増えていくフォローしたやつらのストーリーを追うのは。
別にしたいこともないのにふとインスタを開くのはもうごめんだ。
私がインスタを始めたのは半年以上前だけれども、つまりはインスタをやって半年以上が経ったのだけれども、飽きた。インスタに飽きた。
もっと具体的に言えばストーリーを見るのがつまらなくなった。
みーーーんな個性ない。みーーーんな同じようなストーリーばっか載せる。
街中でタピオカを振るか、スタバのフラペチーノをズームアウトするブーメラン女、歩く足元だけを胸元から撮るブーメラン男、綺麗な夜景が見える展望台から大して綺麗でもない画質のスマホカメラで360℃グルグル撮るグルグル男、アップル信者であることを見せびらかし男、友人に時間を聞いてスマホを見せてもらったらロック画面が寺田心の男(めっちゃおもしろかった)。
私のフォローしたやつらのストーリーは8割これで埋まる。
インスタを始めた当初はこれがインスタというやつなのか~~と感心したものだが、半年以上経っても似たようなものばかり上げる友人にはうんざりした。
お前らにとってオシャレとはこういうことなのかととてもがっかりした。
がっかりしたといえばもう一つある。
それは友人らと遊んだときのことだ。
居酒屋で飲んでいるときや、外で野球やサッカーなどスポーツをして遊んでいるとき、なにかとスマホカメラを向けてくる。
目的はただひとつ、インスタに載っけるためだ。
お前ら~~~~!!!!!いつからインスタグラマーになったんだ~~~!!!!!
おもしろいことしている俺らをみんなに見てほしい。ほらこんなに青春をしているんだ。めっちゃエモいやろ。みんなにこの青春を分けてやる。この想い、君に届け。
そんな簡単に承認欲求を満たそうとしていいのかお前ら?
ていうかお前そんなキャラじゃなかったよな?
インスタに載せたいがためにわざわざもっかい「おもしろかったこと」を再演しないといけないのか?
そんなに角度つけてカメラ向けんな?インスタグラマー気取んな?
いや、おそらく彼らは無意識にそういう行動をとっているのだ。
カメラを我々に向けるとスッとインスタグラマーのもう一人の自分に移り変わるのだ。
私はそんな彼らを見てとても気の毒に思う。
インスタが彼らの行動を変えてしまった。インスタに乗っ取られた。
かく言う私もインスタに乗っ取られかけた。
今はその状態を意識できるため回避できたが、インスタを始めて数ヶ月経ったころはなにか自分なりにイベントが起こるとカメラを向けていた。インスタに載せるために。
エモい角度や背景を探してベストな写真を収めようと躍起になっていた。全てはインスタに載せるために。
傍から見たら、あ、こいつインスタに載せるためにそんなにカメラ向けているんだなと、すぐ分かるような状態だった。
今思えばとても愚かであったのは確かだ。
しかし、同じような行動をとる友人らを見てなんとか目覚めることができた。
私は彼らにそういうのやめようよなんて言えない。
だから彼ら自身が気づいて辞めるまでは、私はずっとその行動を光景をみる羽目になるだろう。
インスタをアンインストールしてからは専らTwitterに没頭している。
SNSというものからは逃げることはできない。だが、インスタという承認欲求を満たすことが主な目的なものを使うことはできないだろう。
彼らは一体いつまでストーリーでブーメランするのだろう。
結婚して子どもが生まれて仕事面でもキャリアアップしてもブーメランを手放さないのだろうか。
もしくはインスタを超えるような承認欲求を満たしてくれるSNSが誕生してみんなそれに移っていくのだろうか。
それでもなにも解決はしないだろうが。