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情報銀行とは?メリットとデメリットは?

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こんにちは。

 

最近、ネットニュースをだらだらと見ていたらなにやら気になる話を見つけました。

 

www.nikkei.com


 

情報銀行とは何ぞや。

 

聞きなれないワードと、ちょっとした近未来感(?)から興味がわいてきて少し調べてみました。

 

 

情報銀行とは

 

まず、情報銀行とはなにか。Wikipediaによると

情報銀行とは、行動履歴や購買履歴といったものを含む個人情報にひも付いたITデータを個人から委託され、他の事業者とのマッチングや匿名化したうえでの情報提供、一元管理する制度、あるいは事業を指す。

Wikipediaから引用

 

例えば、私たちはクレジットカードやSuicaといった電子マネーを使って買い物をしますよね。

そしてその買い物をしたデータは、クレジットカーカードの発行会社や紐づけられた銀行などの金融機関と、買い物をした売店くらいしか知ることが出来ません。

 

しかし、情報銀行はそのような買い物や路容赦の移動情報などの個人情報を個人に代わって管理して、私たち個人が許可した企業に売ってくれるわけです。もちろん個人が特定されないよう匿名化して。

そしてデータを売る、ということはその対価としてお金又はそれ相応のサービスをくれるわけです。

 

つまり、個人情報を集約、管理して企業に売ってくれるのが情報銀行なのです。

 

情報銀行が構想された経緯

 

情報銀行は今まで存在しなかった形態の銀行です。

情報銀行が構想された背景には日本政府による成長戦略にあります。

安部内閣は2016年に「日本再興戦略改訂2016‐第4次産業革命に向けて‐」を閣議決定しました。

その日本再興戦略では、目標とされる第4次産業革命の促進、日本経済の再興のため、個人のITデータを一つの業界や団体に管理されるだけではなく、別の企業、団体にも管理、、活用されるよう助言がなされ、業種や産業の垣根を越えて活用できるように検討されてきました

のち発足された有識者会議「データ流通環境整備検討会」で議論のテーマとして情報銀行が採択され、個人情報保護法も改正され実際に情報銀行を立ち上げることが出来るようになりました。

 

実は、情報銀行の新規参入を掲げたのは、上のニュースの三菱UFJ信託だけではなく、2017年に富士通やイオンなど9社の協力のもと情報銀行の実証実験を行っています。

 

 

売買対象のデータとは

 

今や私たちはIT技術とは無縁の生活は考えられませんし、普段スマホやPCを使わない方でさえ、ふつうに日常生活を送ればその行動は(例えば電車のるときにSuica等の電子マネーを使ったり、買い物時にTポイント等を貯めればどんなひとがどんなモノを買ったなどと)ITデータとして収集されています。

そのような個人データをみんなで共有、活用しよーということで、具体的にどのようなデータが収集され売買されるのか。

 

まず一番に考えられるのが買い物等の売買履歴。クレカやポイントカードで把握できます。

みんなお外でどういう移動しているのかなーと把握するための移動履歴スマホの位置情報で把握できますね。

スマートウォッチなどのウェアラブル端末やスマホのアプリ等で収集、管理できる運動量や心拍数などのデータ。バイタルデータと言います。

スマート家電があればいつどの家電を稼働させたか、いつ家にいるのか、生活リズムも把握できますね。

銀行口座もスマホのアプリで管理している人も多いでしょう。口座の支出履歴や収入も収集できます。

 

今現在はそれぞれ別々の企業が管理していますが、情報銀行が出来ればそれらのデータを一元的に管理して、欲しいといった企業にそれぞれ個人が選別してデータを売ることができるんですね。

この企業には売りたくないなとか、このデータはどこの企業にも売りたくないなど、自分で決めることが出来るのです。

 

 

情報売買による懸念

 

個人情報を色んな企業に活用してもらって経済成長を活性化させるよー!といっても、やはり個人情報は個人情報です。たとえ匿名化してもなんだか怖いな~と思う人もいるでしょう。

個人がデータを売る企業を選べるとしても、具体的にどのように活用されるかは、実際に把握するのは困難です。

自分はこのデータがこのようなことでこのように活用されるんだと思っていても、実際は自分が思っていた方法と違う活用のされ方がなされる可能性もあります。

実際は違った、みたいに後から知ってももう遅いですし、そのような事故が起きないようにしっかりとした法整備、罰則規定を設けてもらいたいですね。

 

では、実際に世間の人はどう感じているのか。野村総合研究所が実施した社会調査では、「情報銀行」を活用したサービスを利用したいと感じる消費者は約4割だそうです。

これを多いとみるか、少ないとみるかは人それぞれですが、私個人的には否定的な人はそれほど多くないとの印象を受けました。

www.nri.com

 

情報銀行が出来ることによる効果!

 

しかしですよ。情報銀行が出来ることによってさまざまな分野で利活用されるわけです。

決してマイナスばかりではありません。

 

まずは、企業が買い物履歴を得ることによって、より消費者のニーズに合わせた商品開発が出来ます。

観光地を有する地方公共団体が移動履歴を得ることが出来れば、観光地での人の動きを把握できて、それに合わせたお店やホテルの展開も可能です。

運動量のデータや、心拍数等のバイタルデータ(生体情報)を医療機関や保険会社が得られれば、その個人に適した診療や保険サービスを提供できます。

また、バイタルデータを一か所に収集することによって、個人でも自らの健康状態や生活情報を管理することが出来ます。

個人のデータは、売り上げに邁進する企業だけでなく、公共性の高い団体、例えば病院や地方公共団体にも提供することが可能なのです。

これも一種の社会貢献の一つになり得るんじゃないかと思います。

  

あと、私個人的に情報銀行が出来るとこによって得られる効果?の一つが、ポイントカードの乱立の抑制です。

企業がポイントカードを作る理由の一つがまさに買い物履歴の情報収集ですから、情報銀行が出来れば、企業はわざわざ自前のカードを作るよりは情報銀行のネットワーク上でさまざまな店舗で買い物したであろう個人の買い物履歴を収集したほうが効率よくないですか?

情報を売ってくれた利用者にはその企業のお店で使えるクーポンを与えればいいわけです。

もうこれ以上財布をポイントカードでパンパンにしたくない!!!(切実)

 

そもそも個人譲歩を大事にしている!?

 

そもそもの話なんですが、もう既に私たちはポイントカードやクレジットカード、アプリ等で個人情報はいくらでも企業に提供しているわけです。

いまさら個人情報は大事にしたいといってももう時すでに遅しといった感じですよね。

むしろ情報銀行のほうが利用者に対して優しいと思いますね。

私たちはスマホでアプリをインストールする際、サイトに会員登録する際、その利用規約等をしっかり読んでいる人はほとんどいないのではないでしょうか。

そのアプリをインストールすることによって、どの情報が抜かれてどう利用されるか把握している人はそういないと思います。

 

それに比べて情報銀行でデータを売る場合、どのデータをどの企業に売るか自分で選別出来て、(おそらく)企業は「頂いたデータはこのようなことにこう活用させていただきます。」といった情報をしっかりと提示してくれると思うのです。

また、情報を売買するのですから、それ相応の金銭やサービスが得られるわけです。

どこの会社が作ったかよく分からない面白いアプリをインストールして知らないうちにスマホに入っている個人情報を抜かれるよりは、大変親切なことだと思いますね。

 

皆さんは賛成?反対?

 

三菱UFJ信託は2019年、来年度中にも情報銀行事業に参入します。

その他にもどんどんいろんな企業が参入してくるでしょう。

 

以上の説明を受けてみて、人によって受け止め方は違うと思います。

デリケートな部分を扱いますからね。

 

 

まあ実際やってみてからじゃ分からないこともきっと多いと思いますし、まずは実際に利用してみて、または利用者の反応をみてから決めるのも遅くないですと思いますしね。

私も利用開始したらこのブログでレビューしてみたいと思います。(ブログ続いてたらいいけど…)

 

少し物足りなさも感じますが、最後までお読みいただきありがとうございました。