けろけろの考えごと

無駄な思考もいつかは再利用できると信じて

キャッシュレスに反対する人の誤解を解いてあげよう。

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はじめに

日本は今、キャッシュレス化した先進各国に追いつこうと、官民一体となってキャッシュレス化社会の実現に励んでいる。

先進各国のキャッシュレス決済比率を見てみると、韓国は9割、中国は6割、他の先進各国も4割から6割を推移している。

だが、今の日本は2割程度と大きな後れをとっている。

その日本でも、2027年にはキャッシュレス決済比率を4割に上げるための計画がある。*1

しかし、2027年に日本が4割を達成したころ、世界各国はどれほどキャッシュレス化が進んでいるだろうか。

 

少しばかり目標が低くないだろうか、と一瞬疑問を抱いた。

だが、それも仕方ない、とすぐに諦めもついた。

日本人の現金志向の強さを、日本人で日本に住む私はよく分かるからだ。

また、利用者側の現金志向のみならず、キャッシュレス決済を導入する店舗側も利用できるキャッシュレス決済の数の煩雑さと、そもそもキャッシュレス決済を導入していない店舗の数も見てみれば、2027年4割の目標も仕方ないとしか言えないだろう。

 

 

バーチャルなお金に不安を覚える人々

 

ではなぜ、それほど現金志向である日本人が多いのか。

なぜ、キャッシュレス化に消極的なのか。

それについてはわざわざここで考察しなくとも、今まで様々な研究所が調査報告書を公表したり、多くの人が自前の記事であれこれと語っている。

その多くの報告書の中から1つ、博報堂生活総合研究所の「お金に関する生活意識調査書」(2017年12月15日公表)では、キャッシュレス社会に「反対」する人の理由が載っている。*2

自由回答で集計したトップ5は

  1. 浪費しそう
  2. お金の感覚が麻痺しそう
  3. お金のありがたみがなくなりそう
  4. 現金が必要だから
  5. 犯罪が多発しそうだから

である。

 

 

おそらくどこの調査報告書や記事を見ても、同じような理由が記載されているだろう。

 

しかし、私はこれらの理由は全て誤解であると思う。

これらの理由トップ5は皆、お金が現金として目に見えるモノではなく、バーチャル上を行き交う目に見えないモノになってしまうことから生まれる不安である。

たしかに、もし普段の買い物を全てキャッシュレスにしたら、財布の中身を覗いても手持ちの残額は見えない。

クレジット・デビット・キャッシュカードの表面をじっくり凝視しても残額、もしくは利用限度額は見えてこない。

そうなると、使ったお金の額が分からないから不安だと思う方も多くいるだろう。

 

バーチャルだからこそ見えるお金

 

だが、それらは全て誤解だ。

いや、誤解と言っても、見る角度を変えれば財布からバーチャルなお金が見えるわけではない。

バーチャルなお金が見えるのは財布の中ではなく、スマホだ。

最近は銀行が提供しているスマホのアプリで銀行口座の残高が確認できる。

クレジットカード用のアプリもあり、利用明細や、利用限度額も確認することができる。

先ほどのキャッシュレス社会に「反対」する人の理由第2位「お金の感覚が麻痺しそうだから」の具体的な理由例として

  • 考えなしに買ってしまいそう。現金は減るのを実感でき、考えて買い物ができる
  • いくら使ったかが分からない。支払い可能限度から逸脱する可能性がある

の2つが載ってある。

 

同じような不安を抱いているキャッシュレス反対派の人は多いだろう。

しかし、そのような不安を抱く人にはデビットカードを使うのが一番良いだろう。

むしろ現金よりもデビットカードをおすすめしたい。

なぜなら、デビットカードは決済すると即座に銀行口座からお金が引き落とされる仕組みだからだ。

つまり、デビットカードを使うことによって、銀行口座がそのままあなたの財布になる。

現金は減るのを実感でき、考えて買い物ができると理由を述べた人は、使える生活費全体から考えて買い物をするのだろうか。もしくは財布の中身だけをみて買い物をするのだろうか。

文脈から読み取れば、現金として実感できる財布の中身だけでしか考えていないように感じる。

しかし、デビットカードと銀行が提供するアプリを使えば、たとえ高価な買い物をする場合でも、その店舗の店内でアプリから口座残高を確認して、じっくりと考え込んだ上でデビットカードを使い、買うことができる。

 

これは、キャッシュレス社会に「反対」する人の理由第2位だけでなく、第1位の「浪費しそう」にも十分反論できる内容だ。

デビットカードは決済時に即口座から引き落としだから、口座残高以上の決済は出来ない。

浪費しそうな人ほど、デビットカードを使うべきだ。

さらに、銀行アプリでどこでも口座残高を確認できるので、いつでも自分が所持しているお金について考えることができる。

 

つまり、現金でお金を管理するよりも、キャッシュレスのほうがお金の管理、確認はしやすいのだ。

これがキャッシュレスの誤解をしている点の1つだ。

 

セキュリティに補償に死角なし

 

もう1つの誤解として、キャッシュレス社会に「反対」する人の理由第5位「犯罪が多発しそうだから」について挙げる。

その理由の具体例として、

  • 暗唱番号や個人情報が流出して、犯罪が起きる可能性がある
  • システムの脆弱性などで不正が行われる心配もある

の2つが載ってある。

 

たしかに、そのような犯罪が起こる可能性は無きにしも非ずだ。

だが、それは現在の現金大国の日本でも起こりうる話である。

そもそも。キャッシュレス社会と化した日本よりも、今の現金大国の日本のほうが安全と言う見方もおかしい。

 

例えば、キャッシュレスをしていない社会人であるあなたは、おそらく財布にはそれなりのお金が入っているだろう。

ちなみに、社会人の財布に入れている金額の平均は約1万3000円であるらしい。

社会人のお財布事情。いつもいくらくらい持ち歩いている? 平均は1万3000円 | 社会人のお金の知識 | 貯金・節約 | フレッシャーズ マイナビ 学生の窓口

その財布を街中で落とした場合、あなたはきっと交番へ行き、遺失届を提出する。

後日、交番から財布が届いたと連絡が入りあなたは財布を取りに行くも、なんとお札は全て抜かれていた。平均1万3000円のお金がである。

もしかしたらこれを読んでいる人の中には、既にこのような経験をした人もいるだろう。

そして、大抵は抜かれたお金は戻ってこない。

財布が戻ってきただけ不幸中の幸いだと、自分を慰めるしかない。

 

だが、もしキャッシュレス化したあなただったならば。財布にはカード数枚と、先ほどの例の時よりも少なめのお金を入れているだろう。

そして、その財布を街中で落としたとする。

落としたことに気づいたあなたは交番へ行き、財布が届けられていないことが分かったならば、すぐに財布に入っていたカードの発行会社にカードの利用停止を電話でお願いする。

カード会社の中には、アプリでカードの利用停止を操作できるのもある。

そうすれば、たとえカードが抜かれて財布が帰ってきても安心できる。

財布に入っていた少なめのお金は、抜かれたとしても自分に対する咎めとして考えられる金額だろう。

また、あなたのカードを使ったオンライン上での不正利用があったとしても、各カード会社はしっかりと補償をしてくれる。

その例として、みなさんお馴染の楽天カードには、ネット不正あんしん制度が自動付帯している。

オンライン上でお金を取り扱うのだから、カード会社もしっかりとセキュリティ対策、被害補償をしているものだ。

 

キャッシュレスこそ安心安全

 

私は、現金よりもカードのほうが安心安全だと思う。

おそらく、キャッシュレスが怖い、反対としている人は、お金とは目に見えている紙幣と硬貨がホンモノだと思っているのではないだろうかと、私は思う。

しかし、その紙幣と硬貨も、あくまで政府によるお墨付きの信用があってお金と化しているモノに過ぎないのだ。

現金だけがお金ではない。

それを真に理解できれば、たとえ現金を介さないキャッシュレス生活になったとしても、しっかりとお金の管理ができるのではないだろうか。

もし、これを読んでキャッシュレスをしたいという感想を抱いた人には、是非下の記事も参照してほしいです。

www.kerokero-labo.com