けろけろの考えごと

無駄な思考もいつかは再利用できると信じて

新卒で在宅勤務を一年やってみた感想

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私は今年の4月で社会人2年目となった。

どうにか無事に1年を終えられたのが一番の率直な感想ではある。

なぜなら自分の世代が初めて入社からリモートを経験した世代だからだ。

おそらく自分ら新卒側もまた新卒に教える側も初めてのことだらけで社会全体が不安であっただろう。

だが、入社早々在宅勤務を迎える自分らのほうが誰よりも不安であった。間違いなくだ。

とにかく社会全体が不安を抱えるなか、そんな社会に初めて飛び込んできた右も左も何も分からないぴよぴよの新卒社会人がこの一年間で何を感じて何を思ったのか、それをこの記事に記録として残しておきたい。

自列系で書こうと思ったが、大分個人情報を晒すことになりそうなので、入社早々在宅勤務を経験して良かったこと、悪かったことを箇条書きに記していこうと思う。

 

その前に自分はどのような業種で、勤務体制はどうだったのか。

自分は大分小さい会社にSE(候補生)として入社した。同期は10人以下だ。

同期が少ないので入社式は会社で行った。だが2020年4月7日から首都圏に緊急事態宣言が発令されたことを受けて、7日から在宅での研修を受けることとなった。

5月のGW明けも緊急事態宣言は継続されたが、出社に慣れるためにも週に1,2度は出社するという形となった。この勤務体制は今でも続いている。正直週に1,2度の出社という制度は大分メンタル的に助けられた。

事前情報はこんなもので良いだろう。

 

新卒が感じた在宅勤務の良かったところ

  • 週5出社するという地獄を経験してない(今のところ)
  • 分からないことを言語化する能力が身に着く
  • 悪天候時にも頑張って出社する必要がない
  • お昼代が大分浮く
  • 定時後にすぐ遊べる

まずは良い点から説明していきたい。

週5出社するという地獄を経験してない(今のところ)

去年の3月時点で既に入社式は行わないと決めていたところも多くあったが、私の会社では入社式は行った。そして4月2,3日と出社して研修を受けた。

土日を挟んで月曜の6日にも出社したが、この日に首都圏に緊急事態宣言が発令されるとの情報が入って7日からは在宅勤務となった。

つまり現時点でも週5で出社したことが無いのである。

入社する前はスーツ着て朝から晩まで週5で電車に揺られて魔の社会人生活を続けていくんだ…なんて気が滅入っていたが、1年経った今でもその悪夢を経験していない。

正直社会人になったという気持ちも思ったより無い。

だがこれは自分にとってはとても良いことだ。

社会人の嫌なところは週5で働くことよりも、朝早く起きて満員の電車に乗って夜も疲れている中これまた満員の電車に乗ることなのである。

それから解放されたことで私はどうにかして1年も社会人を続けることができたと言っても過言でもない。

 

悪天候時にも頑張って出社する必要がない

この良い点も上とだいたい同じこと言ってるようなものだ。

雨や雪、強風などの悪天候時に出社するだけで大分疲れてしまう。

しかし、そんな日は大人しく自宅で勤務できるのはとても最高だ。

今日は出社予定日だったが、「今日雨なんで在宅勤務にします。」と連絡入れるだけで承諾してくれる会社にも感謝だ。

分からないことを言語化する能力が身に着く

もし出社してすぐそこに同じプロジェクトチームの方がいたら、分からないことがあればすぐに聞いただろう。

言葉にするのはもちろんだが、時には身振り手振り、または実際に画面を見せて説明もできる。

在宅勤務というのは基本自室でその空間に自分しかいないから、いきなり「すみません。」と声を掛けることができない。

基本的にチャットで質問を投げるが、自分が分からないことを他人にもしっかり伝わるように言語化して文章にまとめる作業が必要だ。

だから自分がどこの何に躓いてどういう状況で何をしたのかということを振り返ってじっくり考えることが自然と鍛えられるようになる。

正直はじめは自分が分からないことも分からない状態ではあった。

だからなおさら質問をするのが難しくて、でも躓いているから聞かなきゃ解決ができないから泣きたいときもあった。

でも徐々に現場のことや、扱うツールについて分かるようになってきて、なぜこれが上手くいかないのか、これがどういうものか分からないなどの疑問も言語化することにも慣れてきた。

もっとも在宅勤務とか関係なく実際に現場にいても同じような経験はするかもしれない。

だが在宅勤務だからこそ、強制的に自分の中で反芻してそれを言葉に昇華する能力が向上できたと思う。

お昼代が大分浮く

GW明け後は週1,2で出社して、同僚も出社していたら一緒にお昼を食べているが、やはりお店でランチは高い。

ボリュームを考えればランチ800円~900円って安いな~と一瞬思ったが、これを週5とか続けていたら一体月にいくら掛かっていたことか。

それに比べて自宅でお昼を自炊すれば100円くらいで済んでしまう。

自宅でのお昼はもっぱら焼きそばを作っているが、野菜もお肉もしっかり入れているから栄養は多分問題ない。

定時後にすぐ遊べる

在宅勤務の場合、定時迎えた瞬間遊べる。パソコン閉じて急いで準備して外出て友人と遊べる。

出社した場合だと、定時ダッシュで会社出ることすら難しい。しかし自宅ならできる。遊ぶ約束が無いなら無いで定時迎えた瞬間晩御飯が作れる。

これは在宅勤務で本当に良かったと思っている。

 

新卒が感じた在宅勤務の悪かったところ

  • 質問がしづらい
  • 質問と回答のあいだ時間が長い
  • 同期と仲良くなれない
  • 先輩社員とも仲良くなれない
  • 歓迎会してもらえてない
  • 成長した気が無い

 

質問がしづらい

正直在宅勤務で一番嫌なのが質問のしづらさ

皆がリモートだと質問を投げたい人が今どういう状況なのかがよくつかめない。

もしかしたらめちゃくちゃ忙しいのかもしれない。

だから質問投げてちゃんと回答が返ってくるのかが心配であった。

また、実際に会ったことの無い人ばかりだから、正直質問するのが億劫で怖い。

この感じ方は人それぞれかもしれないが、チャットはチャットで質問がすごくしづらい。

新人は分からないばかりだから質問する頻度も高くなる。

でもあまりに頻繁にチャットを飛ばしていたらそれはそれで迷惑だろう。だって相手の作業を止めてしまうのだから、

もし同じフロアに質問したい人がいたら、その人の状況や雰囲気を読み取って質問するタイミングをうかがうことができるだろう。

チャットは相手の顔が見えない分、相手の状況を読み取ることが全然できなくなってしまう。

質問と回答のあいだ時間が長い

また、質問を投げてから回答が返ってくるまでが長い。

もし直接対面して質問をすればその場ですぐに回答が返ってくるだろう。

チャットだとそのタイムラグがとても大きい。

最悪相手が質問に気づいてないことすらもある。しかしそれに私が気づくことはできない。

この一年間で質問の回答待ちだけで一体どれほど時間を浪費しただろうか。

 

同期と仲良くなれない・先輩社員とも仲良くなれない

この二つは大体同じだろう。

在宅勤務が多ければ多いほど同期と顔を合わす機会は少なくなる。

まだ週1,2で出社している自分はマシなほうだろう。

出社したら同期とはランチは一緒に食べるようにもしているし。

だが、先輩社員とは全然会えていない。

私は新人だから週1,2で出社が命じられているが、先輩社員たちのほとんどはフルリモートだ。

だからなおさら仲良くなる機会なんてない。

それが今後も仲良くなれる機会があるかは微妙なところでもある。

歓迎会してもらえてない

私はお酒が好きなほうであるため、歓迎会含め飲み会をとても期待していた。

今の時代には珍しく(?)先輩の誘いなら絶対断らず行こうと思っていたが、ただの飲み会は(ほぼ)無いし私たち新人のための歓迎会すら無い!

むしろ同期会すらしていない!

ただただ毎日仕事するだけなんて、そんなの自分が思っていた社会人じゃないよ!!

成長した気が無い

この一年間のほとんどを在宅勤務で過ごし、仕事仲間とはほとんど会うことなく、気が付けばもう後輩が生まれるときが来てしまった。

そこで社会人としてのこのコロナ禍の自分を振り返ってみると、果たして自分は一年前の自分とどう変わったのか、それが全く分からない。

つまり自分はこの点で成長しましたと胸を張って言えるものが無い。

後輩たちもあと数か月で現場に入ってくる。その後輩と自分は一体何が違うのか、どこが違うのか、勤務年数が一年違うだけじゃないのか。

それがとても怖い。

そしてこれからの一年も怖い。

もしかしたらまた一年後も同じことを思っているんじゃないのか。

このリモートワーク、在宅勤務というものは、ついこないだまでただの学生であった新卒を立派な社会人へと成長させるものとしては大分心もとない制度ではないかとつくづく思ってしまう。

 

総合的に見て、在宅勤務は私を社会人としての寿命を延ばしてくれるものだと思うが、社会人としての気概、資質を成長させるものではないと感じる。

在宅勤務バンザーイと素直に喜べないのは、自分が真面目である証拠としてこの一年を締めくくろうと思う。

 

そういえば名刺交換1回しかしてないな。